こんにちは。ときおです。
東京から岡山に移住して、ぶどう農家になりました。

ぶどうが好きなんだけど、シャインマスカットの次に流行る候補のぶどう品種ってどんなものがあるの?



シャインマスカット以外のぶどうの品種を知りたい!
2025年現在でも「ぶどうと言ったらシャインマスカット」ですよね。大粒で甘く皮ごと食べられる手軽さで、果物の中でも人気が高いぶどうです。
ぶどう農家側からみてもシャインマスカットは単価が高く魅力のあるぶどうです。お客さんの問合せの大多数は、シャインマスカットに対するものです。
ただ、今後もずっとシャインマスカットが流行しているでしょうか?ほかの品種が台頭してくることは無いのでしょうか?
そこで今回は、
- そもそもシャインマスカットって?
- シャインマスカットの次に流行する条件は?
- シャインマスカットの次に流行する具体的な品種は?
について、ホンネを語っていきたいと思います。
シャインマスカットについて
シャインマスカットの次に流行するぶどう品種を語る前に、まずはシャインマスカットについての情報をあらためて確認してみましょう。もしかすると皆さんが知らなかった情報があるかもしれません。
シャインマスカットの基礎情報
まずはシャインマスカットに関する基礎的な情報からです。


特徴は?
果皮は緑黄色、粒の重さは約10~20gです。糖度は約16~20度でぶどうの中では比較的高く、酸味は控えめです。種なしで皮ごと食べることができ、爽やかで果汁が多く大粒で甘いという人気の品種です。マスカット香が強いのも特徴です。
誕生した場所は?いつ?
実はシャインマスカットの生まれは広島県です。農林水産省管轄の農研機構の果樹研究所で開発されました。2006年に品種登録されたのち、全国に広まりました。
ぶどう生産量が多い山梨や長野、岡山ではなく広島というのが以外ですよね。
親(掛け合わせ)の品種は?
シャインマスカットの親は「安芸津(あきつ)21号」と「白南(はくなん)」という品種です。安芸津21号は病気に強く育てやすいという特徴があり、白南は病気に弱いが大粒になるという特徴を持っていました。
お互いの長所がうまくマッチした掛け合わせだったようですね。
シーズンは?
露地栽培のシーズンは産地により多少異なりますが8月下旬から10月上旬ごろです。ハウス栽培については早くて6月ごろからです。ハウスものはかなり高価になると思いますので、家庭用などであれば露地ものを狙って購入することをおすすめします。
全国にあるシャインマスカットのブランド


次に、全国各地のJAが売り出しているシャインマスカットのブランドを紹介します。独自のブランドで売り出しているということは、その地域・産地として力を入れているということで高い品質を誇っています。
- 晴王®(岡山県)
- 煌乃(岡山県)
- 大地のしずく(長野県)
- こがらしぶどう(山梨県)
- ごっつぉシャインマスカット(山形県)
晴王®(岡山県)
岡山県下のJAから出荷するシャインマスカットの名称です。厳しい基準のもと出荷されたシャインマスカットです。
煌乃(岡山県)
JA晴れの国岡山(岡山東統括本部)が独自に作ったブランド「煌乃(きらめきの)」で、出荷されるシャインマスカットの上位5%ほどの高品質なものにのみつけられるブランドです。主に大都市圏に出荷され、なかなかお目にかかれない希少なぶどうです。
独自ブランド「煌乃」に期待/岡山東統括本部 | JA晴れの国岡山
大地のしずく(長野県)
JAながのから、厳格な出荷基準のもと出荷されるシャインマスカットです。出荷数が少なく、こちらもなかなかお目にかかれない希少なぶどうです。
こがらしぶどう(山梨県)
JAフルーツ山梨から、冬に出荷されるシャインマスカットです。木枯らしが吹く11月上旬〜11月下旬にかけて収穫されるもので、秋のぶどうと比べて2ヶ月以上栽培期間が長いため、濃い甘さに仕上がるとのことです。
こがらしぶどう(シャインマスカット) | 山梨県産のフルーツ・果物の通販・お取り寄せは産直プライム【JAフルーツ山梨公式】
ごっつぉシャインマスカット(山形県)
JAやまがたの中で特定の生産者に限定し、その生産者の畑の中でも優れた樹木のみから取れるシャインマスカットです。
※これら全てJAブランドのものです。各地域や農家が独自につけているブランドについては対象外です。また、岡山県の情報は自信がありますが、他の県のものはWEBで調べたものになりますので、不足等あるかもしれません。ご了承ください。
シャインマスカットについて、よく質問を受けること


私もぶどう農家として、お客さん(消費者)にシャインマスカットを販売・提供させていただいていますが、よく受ける質問があります。
それは、「シャインマスカットの鮮度の見分け方」と「緑色と黄色のどっちがおいしいか」についてです。
鮮度の見分け方とは?
やはり果物ですので、鮮度が良いものがいいですよね。ぶどうは収穫後には追熟しないので、新鮮なものほどおいしいです。
では、新鮮なものはどうやって見分ければよいでしょうか?
シャインマスカットのみならずぶどう全般に言えることですが、ぶどうの鮮度は基本的に「軸の色」を見れば分かります。
軸が緑色であれば新鮮で、茶色(木のような感じ)になればなるほど古くなっています。購入前に軸を確認できるのであれば、ぜひ確認してみてください。
そのほかに、ぶどうの粒が軸から取れている(脱粒)ものも鮮度が悪いです。こちらは見分けが簡単ですので、スーパーなどで買うときは注意してみてください。
緑色と黄色、どっちが良い?
よくニュースで言われていますが「シャインマスカットの粒が緑色より黄色のほうがおいしい」という情報についてです。
たしかに黄緑色のほうがよく熟れた状態ですので糖度が高く甘いものになっています。ただ、人によっては甘すぎる場合があります。お客さんの中にも、「黄色のもの甘すぎて苦手だわ」と言われる方が、ちらほらいることは事実です。
ちなみに、緑色のほうは香りが良いです。食べた瞬間に鼻に抜けるマスカットの香りは格別です。気になる糖度ですが、黄色よりは劣るものの、シャインマスカットである以上は高い糖度を持っているはずです。
ですので、一概に黄色のほうがおいしいとは言えず、ぜひ皆さんも食べ比べて自分の好きなほうを見つけてみてください。
シャインマスカットの次に流行するぶどう品種の条件とは


さてさて、ここまでの前置きが長くなってしまいましたが本題です。
まずは次に来る「流行するぶどう品種」の条件について解説します。
シャインマスカットの子供たち
これは絶対条件だと思います。シャインマスカットの血を引いているかどうかです。
ぶどう品種は基本的に異なる品種を掛け合わせて作られます。その片方の親に、シャインマスカットがあるかどうかです。
ちなみに、ぶどうを購入してくれるお客さんの中には「このぶどうの親はなに?」と聞いてくる方が一定数います。説明すると、知っているぶどうが親にいるというだけで気に入って購入してくれる割合が高いです。
新しい(自分の知らない)品種に出会ったときに、親の品種が知っている品種かどうかで興味を引く度合いがかなり違う、ということです。おそらく味や香りなどイメージしやすいのでしょうね。
ということで、親がシャインマスカットだと次に流行すると考えます。
色合いが良い赤系ぶどう&香りがよいもの
直売しているお客さんに試食で新しいぶどうをすすめたときに、ほとんどの方が良い反応をする条件があります。それは、「赤色のぶどう&香りが良いもの」です。鮮やかな色合い(美しい赤)が目を引き、芳醇な香りが引き付けるのです。
ただ、香りが良いぶどうに関しては実際に嗅がないと良さが分かりません。ということはネット販売では良さが伝わらないのが難点です。地道に口コミで広がっていく(流行していく)ことを期待しています。
シャインマスカットに続く、流行する品種4選
では上記の条件から、具体的にどのような品種が流行する候補なのか。以下4品種をご紹介します。皆さん、どこまでご存じでしょうか。
ちなみに、残念ながら画像を準備できなかったぶどうについては、各リンクから見てみてください。
1. ブラックシャインマスカット(富士の輝)
- 開発元:志村葡萄研究所(山梨県)
- 親:シャインマスカット/ウインク
- 収穫期:9月上旬〜9月中旬
- 果粒:極大粒(約25g〜30g)
- リンク:私たちが交配した品種 – 志村葡萄研究所〜Shimura Grape Research Institute〜
まず名前が良いと思いませんか。ブラックシャインマスカット。すでに多くのテレビ番組で紹介されている、次に流行する候補1位の品種です。
特徴としては、紫黒色の極大粒の品種で糖度が24〜25度と非常に高いということ。甘さに独特のコクがあり、貯蔵・熟成にも適しています。まだまだ全国の生産量は少なく、超希少な品種です。
2. クイーンセブン
- 開発元:志村葡萄研究所(山梨県)
- 親:シャインマスカット/マニキュアフィンガー
- 収穫期:8月上旬〜8月中旬
- 果粒:8〜10g程度のフィンガータイプ
- リンク:私たちが交配した品種 – 志村葡萄研究所〜Shimura Grape Research Institute〜
果粒がフィンガータイプでインパクトのあるぶどうです。そうです、映えます。親もシャインマスカットで、申し分のない血統です。赤紫色の品種という見栄えのよい色をしています。
特徴として、糖度が非常に高く(25度以上)酸味もほとんどないことから、世界一甘いぶどうと言われています。他品種に比べ皮が薄く、食べやすいこともGOODです。
3. マイハート
- 開発元:志村葡萄研究所(山梨県)
- 親:ウインク/シャインマスカット
- 収穫期:9月下旬〜10月上旬
- 果粒:15〜20g前後のハート形
- リンク:私たちが交配した品種 – 志村葡萄研究所〜Shimura Grape Research Institute〜
親がシャインマスカットというのもありますが、果粒がハート形という珍しい形なのが一番の理由。しかも赤系で、まさに映えるぶどう。
糖度は20〜22度程度で、濃厚な果汁があり食味は極めて良好という特徴を持っています。
クイーンニーナ


- 開発元:農研機構(広島県)
- 親:安芸クイーン/安芸津27号
- 収穫期:8月下旬~9月上旬
- 果粒:平均17gの大粒
- リンク:クイーンニーナ | 農研機構
次に流行する品種で、ブラックシャインマスカットに次ぐ2位候補として私は推しています。
鮮やかな赤系のぶどうで、映えること間違いなし。香りは芳醇で大粒で食べ応えがある、見栄え良し食べて良しのぶどうです。
ちなみに、品種登録自体は2011年にされており特に新しい品種というわけではありません。これまで注目されなかったのは残念ですが、これから流行すると思っています。
まとめ
◆本記事のまとめ
いかがだったでしょうか?
今回紹介した次に流行する4品種のうち3品種は、山梨県の志村葡萄研究所さんの開発したものです。全国的にも有名で、よくテレビにもでていますよね。ぶどうに関することでは全国イチなので、今後も目が離せない存在です。
シャインマスカットはまだ当面の間は人気が続くかと思いますが、いつまでも続かないのが世の習い。なので、今後流行するであろうぶどうを、ぜひ先取りして味わってみてください。
ちなみに、今回紹介したぶどうたちは現在ではまだまだ希少なため(全国で生産量が少ない)、なかなか出会えないと思います。逆に出会えた方は運の良い方ですので、そのチャンスを逃さないようにしてくださいね!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「さあ移住!さあ農業!」
▼私がなぜ移住をしてぶどう農家になったのか、以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。


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