こんにちは。ときおです。
東京から岡山に移住して、ぶどう農家になりました。
訪問者初めてぶどうの苗木を買うんだけど、苗木に良し悪しってあるの?



どこで買ってもぶどうの苗木って同じもの(品質)でしょ?
自分でいちからぶどうを植えるとき、新しい品種を植えようとするとき、必ず苗木を買いますよね。その苗木なんですが、けっこう重要なんです。なんとなく「どこで買っても同じものでしょ」と思っていませんか。私も初心者の頃はそういう感覚でした。
特に果樹は数年間に渡って収穫を行うものです。もし質の悪い苗木の場合、収量や収益に大きな影響を及ぼしかねません。では、良し悪しの見分け方や、購入すべき場所など、どう考えればよいのでしょうか。
そこで今回は、
- なんで苗木が重要なの?
- 苗木を買う場所でおすすめはある?
- 苗木の良し悪しの見分け方は?
について、ホンネを語っていきたいと思います。
※ぶどう栽培の年間スケジュールを別記事にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
▼【過去の記事】ぶどう農家の年間スケジュールについて


樹勢の重要性
苗木の良し悪しを語る前に、まずは「樹勢」というものを説明します。


ぶどうは、木の強さ「樹勢」が重要
ぶどうの木(同じ品種の場合)は同じように見えて、1本1本違いがあります。それは木の「樹勢」です。
「樹勢」というのは、その木の健康状態を表すものです。
その樹勢が弱いと、枝の伸びが弱かったり枝が細くなったり、結果として良い房が採れなくなります。これは私の実体験で、樹勢の弱い木は全然良い房ができません。小粒だったり、変形な房になったり。
逆に樹勢が強いと、枝がぐんぐん伸びるし太くなる。ぶどうの房(粒)も大粒になりやすいです。そのため、ぶどうを育成する上で樹勢は大きなポイントになってきます。
そのため、「状態の良い苗木を選べば樹勢が強い木になる」可能性が大きいので、重要になってくるのです。
※可能性が大きいということで100%ではありません。
ちなみに、科学的根拠はないですが、もしかすると樹勢が弱いために病気にかかりやすい、なんてこともあるかもしれません。
樹勢の回復には数年以上かかることも
この樹勢ですが、実は「弱い」を「強い」に変えるには、かなり大変です。
効果的な土づくりを行ったり、剪定作業をうまくやったり。いろいろポイントはありますが、育成初心者の場合は本当に難しい。○○すれば必ず樹勢は強くなるという確実なものはないためです。自然のものですので、当然と言えば当然ですね。
経験豊かなぶどう経験者(私の師匠)も、「樹勢回復には数年かかるよー。本当に大変よ。」というほど。
なので、苗木の段階で「樹勢」が見極められればGOODですよね。
樹勢が弱い場合は、早めに木を切ることも重要


樹勢が弱いなと感じた場合は、早めに木を切る(新しい木に植え替える)ことも重要です。
ぶどうを含む果樹は、数年にわたり実を付けて収穫しますよね。樹勢が弱いものを育て続けても、弱い房しか付きません。そのため、早めに切り替えて樹勢の良い木に植え替えることをおすすめします。
ちなみに、私の経験ですが「来年には樹勢が回復するんじゃないか」と考えて、なかなか木を切ることができませんでした。そういう木はもれなく樹勢は回復しませんでした。私の樹勢回復方法が下手というのもあるかもしれませんが、木を切るという思い切りも重要だということをアドバイスしておきます。
なお、樹勢が強い弱いというのは実際に育成していけばわかるようになりますよ。
ぶどう苗木の購入場所とおすすめは?
まずはぶどう苗木の購入場所についてです。購入できる場所は以下の通りです。
- ホームセンター(苗木コーナー)
- 農協
- インターネット
- 苗木店(種苗店)
それぞれの特徴など、以下で細かく解説します。
ホームセンターで買う


ぶどうを庭先で育てる家庭菜園が増えたせいなのか、ホームセンターの苗木コーナーで購入することができます。しかも手軽な価格で購入することができます。
ただし、ホームセンターの苗木は、どこで育成したのかわからないのがほとんどです。ホームセンター内での保管方法も不安定(水管理や温度など)なものが多いです。
また、ポッドに植えられ芽が少し出た状態で販売されているのがほとんどです。ぶどうの苗木は、芽が出ない間(冬~春)に植えるのが基本なので、芽が出た状態での苗木を買うのは、ぶどうを商売として行う農家としてはそもそもNGです。
おすすめ度:
農協で買う
農協でも購入することができます。ほとんどが部会などの組織にて注文し購入する形だと思います。農協で買う場合は、育成地もしっかりとしていますし(聞けば教えてくれるはず)、組織で大量購入するはずですので安価で手に入ると思います。
ただし、農協で買う場合は品種が限られる場合が多いです。シャインマスカットや巨峰などの有名な品種は変えますが、変わった品種のぶどうはまず手に入りません。私の地元の農協では、取り扱いは5品種くらいでした。
また、苗木は基本的に農協側にて分配し配達してくれます。ということは自分で選べません。そのため、当たりはずれがあるのは事実です。
おすすめ度:
インターネットで買う


インターネットで検索すれば、ぶどうの苗木を購入できるサイトはいくつかあります。品種の数も豊富で、いろいろ選べることが可能です。(近年は猛暑の影響で苗木がうまく育たず、数量が限られる場合があります。)
ただし、1本あたりの価格は他の選択肢に比べては高めです。また送料もかかるので、その分も合わせて高価になりがちです。
また、苗木は基本的に購入先の業者が選定し梱包・配達してくれます。ということは自分で選べません。そのため、当たりはずれがあるのは事実です。
おすすめ度:
苗木屋(種苗店)で買う
苗木屋(種苗店)で買う場合の一番のメリットは、何といっても自分で苗木を選べることです。もし選べない場合は、お店の人に選ばせてほしいとリクエストしてみてください。
また苗木屋の場合、仕入れ元がしっかりしている場合がほとんどです。仕入れ~客引き渡しの間の管理も大切に扱ってくれるので、問題ありません。
ただし、1本あたりの価格は他の選択肢に比べては高めです。また本数が少ない注文だと、品種によっては対応できない場合があるかもしれません。実際私も近所の苗木屋に瀬戸ジャイアンツの苗木を1本だけ欲しいとお願いしたところ、断られたことがあります。
おすすめ度:
結論!苗木屋(種苗店)での購入をおすすめします!
おすすめ度でも示している通り、私は苗木屋での購入をおすすめします。それは、「自分で苗木を選ぶことができる」からです。
苗木の良し悪しのポイントを把握していれば、良い苗木を選ぶことができますよね。これが一番重要です。苗木屋が多少遠方にあるとしても、足を延ばして訪問してみましょう。
あと、苗木屋に行くタイミングも重要です。早めに行けば多くの苗木から選ぶことができます。私も何度も苗木屋に入荷の時期を確認して、ほぼ一番に行くように心がけています。
皆さんも早めに訪問して、数多くの苗木の中から選ぶように心がけましょう。
ちなみに、苗木の値段をケチってはいけません。値段の違いがあっても数千円程度です。今後何十年も付き合う木になるわけですから、目先の数千円にケチをつけるのはNGですよね。
| 購入場所 | おすすめ度 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ホームセンター | ・どこでも購入できる(近所にあるホームセンター) ・手軽な価格で購入できる | ・育成元が不明確なことが多い ・店舗内での保管方法が悪い場合がある | |
| 農協 | ・育成地や管理がしっかりしている ・手軽な価格で購入できる | ・取り扱い品種が少ない ・自分で苗木を選べない | |
| インターネット | ・様々な品種から選択できる ・産地がしっかりしている | ・送料などもあり高価になりがち ・自分で苗木を選べない | |
| 苗木屋(種苗店) | ・自分で苗木を選ぶことができる ・産地がしっかりしている | ・高価になりがち ・珍しい品種は断られるかも |
良い苗木の見分け方
苗木屋で「自分で苗木を選ぶこと」ができたとして、ではどんな苗木が良いでしょうか。ポイントは以下です。
- 根の量
- 苗木(枝)の太さ
- 苗木(枝)の硬さ
この3つについて、以下でしっかり解説します。


特徴1. 根の量
苗木の状態で一番大切なこと、それは「根の量がいかに多いか」です。しかも、細根までしっかりあるかどうかです。
※根は「太根」「中根」「細根」と分かれており、一番末端の細い部分が「細根」です。
ほとんどの植物に共通することですが、成長のための養分はすべて根から吸収されます。その根の量が多いということは養分をしっかり吸い上げることができるということです。
以下の写真は、私が購入した苗木で「細根」までしっかりとある苗木です。このくらいの根の量があれば良い状態の苗木と言えます。


特徴2. 苗木の太さ
次は、苗木の枝の部分のことです。この枝の部分が太ければ状態のよい苗木と言えます。目安ですが、中指や親指くらいの直径があれば良いと思います。
枝の部分が太いということは、苗木として養分を吸収してしっかり成長できている状態です。
特徴3. 苗木の硬さ
特徴2と同じく、しっかりと養分を吸い上げれていれば枝の部分がしっかりと成長し硬くなっているはずです。
逆にいうと、中身の無いような枝であれば養分を吸い上げれていない状態で、もしかすると枯れてしまうかもしれません。
まとめ
特徴1~3をまとめ比較した図が以下です。どうでしょうか、全然違いますよね。


この比較の通り、苗木の時点で良いものを選ぶことができれば、今後の成長に差が出てきます。
ぜひ苗木屋に直接行って、自分で選ぶようにしましょう。
補足. 台木と穂木の接合について
ぶどうの苗木ですが、ほぼ100%「台木」「穂木」という組合せで成り立っています。苗木を育成する業者が1本1本継いでくれています。


この接合(台木と穂木の結合)が良ければ、根や枝が太くなると考えられます(私の意見)。
この接合が良ければ根の量が多く、たくさんの養分を吸い上げることができる、結果として良い房ができます。逆に言うと、接合が悪いと根が少なく養分も少なく結果として悪い房しかできない、という考え方です。
なんかこの説明を聞くと納得ですよね。
良い苗木を手に入れて、良いぶどうを作りましょう
これまで解説した通り、良い苗木を手に入れて良い房を収穫できるようにしましょう。
良い苗木を手に入れることからぶどうの育成は始まっています。良いスタートを切りましょう!
ただし、自然のものですので、状態の良い苗木を植えると100%良い収穫物が穫れるとは限りません。良い管理や良い植え付け、良い育成を心がけましょう。
まとめ
◆本記事のまとめ
いかがだったでしょうか?
何度も言いますが、良い苗木を選ぶことは良いぶどうの房を収穫するための第一歩です。ぜひ最初のスタートダッシュを見逃さないように、良い苗木を苗木屋(種苗店)に足を運んで選びましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「さあ移住!さあ農業!」
▼私がなぜ移住をしてぶどう農家になったのか、以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。


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