こんにちは。ときおです。
東京から岡山に移住して、ぶどう農家になりました。
ぶどう農家になるには、何が必要なの?
ぶどう農家に興味があるんだけど、どんなスケジュールなの?
就農を考えている、特にぶどう農家への就農を考えている方でそう思っている方は多いはず。確かに農業に携わっていないと分からないですよね。私も就農を考え出した初めのころはそうでした。
「農家って休みなしだよね。」「年間通して忙しそう。」というイメージもなんとなくありませんか?
そこで今回は、
- どうしたらぶどう農家になれるの?
- ぶどう農家の年間スケジュールを知りたい!
- ぶどう農家は忙しい?オフシーズンはある?
について、ホンネを語っていきたいと思います。就農、とくにぶどう農家について考えている方の参考になればと思います。
※初心者向けの簡易的な説明になります。プロ農家からすると、まだまだ仕事あるだろーと思う人もいるかもしれませんが温かい目で見てください。
※ぶどう栽培には大きく【露地栽培】【ハウス栽培】【無加温ハウス栽培】があります。記事中に特に記載のない場合は、露地栽培の紹介だと思ってください。→栽培の違いについては別記事にて紹介予定。
ぶどう農家になるには?
ぶどう農家になるには何が必要なのか。私の経験から解説します。
特に資格・試験は必要ない
ぶどう農家になるために資格や試験は必要ありません(自分が農家・個人事業主の場合)。ぶどう畑と栽培に必要な農具(ハサミや防除機械など)があれば、だれでもなることができます。
ちなみに、ぶどうを栽培したい!ということであればぶどうを生産している農業法人に就職するというのもアリです。農業法人に就職するのであれば、その法人における試験・面接に合格する必要があります。
農家か、農業法人に就職か
私は個人事業主としてぶどう農家になることを強くおすすめします。
その理由は、以下の通りです。詳しくは別記事にまとめようと思います。
- 収入に上限があるかどうか
- 法人の方針次第で、別品種・品目を生産することがある
- 労働の時間の使い方が自由かどうか
簡単に言うと、労働時間が自由(自分の裁量で決められる)で自分が頑張った分稼げるかどうかです。やはり法人に就職すると就業時間があるので拘束時間が決まっており、生産物の出来や収量にかかわらず給与も固定になるためです。
※もちろん収穫量に関わらず(不作でも)給料が一定というのはメリットですよね。
栽培技術を得るために、農業法人や各県の研修制度を利用するのもアリだが・・
とはいうものの、栽培技術を得る目的で農業法人に就職するのもアリです。ぶどう栽培技術は難しく、なかなか独学では厳しいこともあります。正直、本に書いているような内容だけでは実際には足りないと思います。自然相手ですからね。
ただ、私のおすすめは自分の畑を持ったうえで地域の先輩・師匠を見つけて教えを乞うことです。
ぶどうの産地であれば、その地域で有名な農家や先進的な農家が必ず居るはずです。そういった方々にお願いするようにするとよいと思います。(簡単には教えていただけないと思いますが、そこは粘り強くいきましょう。)
そうすることで、自分の畑を持ち、信頼できる先輩・師匠からも栽培技術を教えていただけることでしょう。やはり自分の畑を持ち独り立ちすることが、ぶどう農家として儲けるための一番の近道だと思っています。
ちなみに、各県に就農支援制度がある場合が多いので、そちらを利用するのもいいでしょう。補助金などもありますよ。これについては改めて記事にまとめようと思います。
ぶどう栽培できる畑を確保しよう
改めて、ぶどう農家になるための話に戻します。ぶどう農家になるために一番重要なこと。それはぶどう畑の確保です。
畑の確保については、大きく【ゼロから切り開く】【ほかの人から借りる】に分かれます。耕作放棄地などの土地をゼロから新たに切り開くというのもアリですが、私はまずは【ほかの人から借りる】をおすすめします。
というのも、ぶどうは苗から栽培した場合、ぶどうの房が収穫できて出荷できるまでに最低3年~5年は必要です。そのためゼロから畑を作ったとしても収入が得られるのは数年先になります。
【ほかの人から借りる】であれば、借りた年から収穫・出荷ができ、収入を得ることができるのです。
なお、【ほかの人から借りる】であれば品種や畑などが前の人の好みや特徴が出ているので、同時並行的に【ゼロから切り開く】すれば、収入を得ながら将来的に自分好みの畑を作ることが可能です。(私はこのやり方です。)
最低限、【ほかの人から借りる】を選択して、ぶどう栽培を開始しましょう。
ぶどうは植え付けから収穫できるようになるまで時間がかかります。1年、2年目は房は取れません。ここは意識しておきましょう。
ただし家の賃貸情報みたいに、畑の貸し借りの情報がネットに載っているなんてことは、まずありません。詳細については下の章の「その地域に溶け込むのは、非常に重要」で解説したいと思います。
その地域に溶け込むのは、非常に重要
上記の章で、【ほかの人から借りる】が良いと書きました。そして、その情報はネットには載っていないとも書きました。
そうなんです、栽培をやめようとしている人から直接借りるしかありません。そのためには、私の経験上、以下が重要です。
- 空き畑の情報(高齢で栽培をやめる等)が出たときに、自分にその話が回ってくるかどうか
- 「あいつにならぶどう畑を任せても良い」と思ってもらえること
そのために、何が重要なのか。それは、地域に溶け込むことなんです。地域に溶け込み、馴染むことによって様々な情報が回ってくるようになるのです。
溶け込むって簡単に言うけど、難しくない?
コツは1つだけです。とにかく挨拶を大切にしましょう。
そうなんです、よく「どうやったら溶け込むるの?」と聞かれますが、とにかく挨拶をすること!それだけです。
挨拶をしていれば、そこから日常会話になり、日常会話の中で自分の人となりを理解してもらえ、その噂が地域に伝わり、「ぶどう畑が出てきたら、あいつに情報渡してみよう」「あいつなら自分の畑を任せてもいいかも」と思ってもらえるようになります。
とにかく田舎のほうは人対人が重要になってきますので、挨拶するというのは重要ですよ。
販路開拓・出荷登録を忘れずに
さて、これでぶどう農家になり栽培がスタートできますね。そこで、出荷先を忘れずに見つけておきましょう。栽培したぶどうを出荷する先がないと、当然売上(収入)につながりませんからね。
候補としては農協出荷(JA)、直売所での販売、自分の倉庫で直販、インターネット販売など、いろいろな販路があります。それぞれの特徴や良さを見つけて、出荷先を決めておきましょう。
※最低限、農協出荷(JA)と直売所へ出荷ができるようにしておきましょう。地域柄があるかもしれないので、念のため先輩・師匠に相談を。
なお、私個人の意見ですが、「ハイブリッド出荷」をおすすめします。少なくとも3つ以上の販路を持ち、それらを組み合わせて販売していくというものです。私の造語です。
※「ハイブリッド出荷」をもう少し詳細に説明しつつ、出荷全体について以下記事にまとめています。併せてご覧ください。
ぶどう栽培の年間スケジュール
ここでは、ぶどう栽培の年間スケジュールをざっくりですが紹介します。
ぶどう栽培の年間スケジュール
だいたいこんな感じです。
ちなみに、ぶどうの木から芽が出始めて収穫を終える5月~9月が忙しい時期になります。
特に5月~9月が忙しい(露地栽培)
スケジュールにも書いていますが、5月~9月はとにかく忙しいです。この期間は休みなし(雨でも作業する)と思っていたほうがいいです。
確かにそうですね。この期間は自炊は難しくて弁当を買うことが多い。みなさん、覚悟しておきましょう。
スケジュールに書いている通りですが、芽が出始める5月~収穫・出荷が終了する9月末ごろまでが一番忙しい時期です。なので、子供との夏休み満喫や沖縄への真夏の旅行は無理だと思ってください。
※地域によっては多少前後しますが、だいたいこのスケジュール感です。
※自営業なので、ぶどうの出来栄えが悪くなってもいいやと思える方は、もちろん夏でも遊べますけどね。笑
ちなみに、このスケジュールの中でも特に重要な作業があります。それは【花切り】【ジベ処理】です。これは作業のタイミングをずらすと、なかなか大変なことになってしまいます。
なお、この記事内では各作業内容の詳細までは説明しません。また改めて別記事にて紹介します。まずは年間スケジュールの大枠を把握しておいてくれればと思います。
ハウス栽培と組み合わせて作業分散
先に紹介したスケジュールは、露地栽培のものです。自然の気温で栽培するスケジュールになります。
これとは対照的に、ハウス栽培というのがあります。ハウス内を加温し早めにぶどうを発芽・収穫する時期を早める、というものです。
そのため、ハウス栽培のスケジュールは露地栽培とは異なります。ハウス内をいつから加温するかによりますが、だいたい1~1.5か月早いと思ってください。
そのため、この【露地栽培】と【ハウス栽培】をうまく組み合わせれば作業の分散になり、畑の面積を大きくすることができます(ということは収穫量が増える)。これについては、別記事でまとめたいと思います。
ぶどう農家のオフシーズンは?
農家は忙しい?オフシーズンはある?
結果から言いますが、オフシーズンはあります。
農家は忙しいというイメージがありますが、それは春夏秋冬の各季節で野菜を作っている人が言っているのか。。まあとにかくぶどう農家はオフシーズンはゆっくりできます。
たしかに土づくり(畑の土壌をより良くする)や剪定など作業はありますが、夏の作業に比べれば少なく、気持ちもかなり楽です。農家それぞれに依るかもしれませんが、少なくとも私はとってもオフしています。笑
ただし、注意してほしいのは5月~9月はとっても忙しい。何度も言います。毎年体も気持ちもへとへとです。その忙しい時期があるから、このオフシーズンはとても貴重なのです。
オフシーズンは何をしているの?
では、そのオフシーズンは何をしているのか。私の個人的な話になりますが、趣味の海釣りに出かけています。上記の写真は沖縄で船釣りに行った時のものです。夫婦で沖縄旅行を兼ねて私は釣り、妻はショッピングといった感じです。
あとはブログを書いたり。このブログも、冬の期間に更新することが多いです。だって冬のオフは時間がありますからね。
私の周りの農家仲間は、海外に長期滞在したり、実家に長期で帰省したり、急に教育熱心なパパになったり。あとは冬の期間限定のバイトに出かけている仲間もいます。人それぞれにオフシーズンを楽しんでいるようです。
なお、もしぶどうの収入が何かの理由で激減してしまった場合、オフシーズンはバイトに出かけると思います。笑
オフシーズンのおすすめの過ごし方3選
私が勝手に考えた、おすすめの過ごし方です。そんなに大した内容ではないので、流し見程度に見てください。笑
①短期バイトに出かける
夏の忙しい時期に体をしっかり動かしているので、冬もしっかり体を動かしたい!という方に向けた過ごし方です。
通常のアルバイトですと長期雇用になってしまい、次の夏はまったくシフトに入れないという状況になります。そこで、今流行っている短期バイト・シーズンバイトがおすすめです。冬~春の期間だけバイトすることができ、次のぶどうのシーズンが始まる前に辞めればいいですからね。
私もタイミーなどのアプリを利用して、バイトでもしてみようかなと思っています。
②副業をやる(個人事業主として)
ぶどう栽培だけでなく、前職を生かした新しい挑戦をしてみたい!という方に向けた過ごし方です。
基本的に農家は個人事業主です。なので、会社員とは違い農業以外の仕事をしてもOKです。ぶどう栽培とは違う、何か全く違う業種の副業に取り組むことをおすすめします。
というのも農家は自然相手ですから災害や病害虫、あるいは事故などで収入が大きく下がることが考えられます。会社員とは大きく違う点ですよね。
そこで、収入の2本柱として【ぶどう農家】+【副業〇〇】を持っておくことがおすすめです。
そうすることで、もしぶどう農家の収入が減ったとしても、ある程度補填できる副業を持っていることで生活が成り立ちます。
ぜひ前職などの経験を生かして、副業をやってみるのはいかがでしょうか。
ちなみに私の場合、【ぶどう農家】+【ハンドメイド作家】です。
※個人的には3選の中で一番おすすめです。
③とにかく旅に出る
夏は頑張ったんだから、とにかく冬は遊びたい!という人に向けた過ごし方です。
とにかく旅に出てみませんか。基本的にぶどう畑があるのは山ですよね。なので、海のあるリゾート地はいかがでしょうか。私もなんとなく海を求めてしまいます。
ちなみに、国内では沖縄、海のリゾート!私は沖縄が大好きで毎年行っていますが、冬でも大満足です。海で泳げないですが、その分街が空いています!観光客は少ないです。
しかも滞在費も安い。観光のローシーズンですからね。
ぜひおすすめです。
まとめ
◆本記事のまとめ
いかがだったでしょうか?
ぶどう農家へのなり方や、年間スケジュールを大まかに理解してもらえたのではないかと思います。
「農家は忙しそう」というなんとなく漠然としたイメージを持たれがちですが、そんなことはありません。現に私はオフシーズンを十分に楽しんでいます。
私も昔は農家に対していろいろなイメージを勝手に持っていましたが、今思うと違うなーということが多くあります。ぜひ皆さんも情報収集などをして変なイメージを払拭して、“農家”という働き方に興味を持ってみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「さあ移住!さあ農業!」
▼私がなぜ移住をしてぶどう農家になったのか、以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
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